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渡辺靖夫

 

 

1.出身地          東京都

2.最終学歴         多摩美術大学 美術学部 デザイン科

3.主な職歴、画歴      1989〜1991:学生時代より写真を素材とした作品で、公募展などに入選。

               1991〜1999:株式会社川島織物(現、川島織物セルコン)入社、デザイナー                                                    として椅子張生地、壁紙などのインテリアファブリックスや車輌シート生地の                                                    企画開発を担当する。

               1999〜現在:フリーランスとなり、自然環境調査(主に鳥類調査)業務に携

                                                   わる傍、ワイルドライフアートやネイチャーイラストレーションを制作。

4.主な実績         ・ジャパンバードフェスティバル ワイルドライフアート展 山階鳥類研究所所

                                                   長賞(2003年)

               ・Birds in Art exhibition(米)入選(2006、2011年)

               ・A Field Guide to the Raptors of Korea(韓国国立公園局渡り鳥研究セン

               ター)全イラスト担当2009年)

               ・Birds in Art exhibition(米)入選(2011年、作品買い上げ)

               ・フィールドガイド日本の猛禽類(自費出版)、形態イラストを担当 

               (2012、2013、2015年)

               ・Artists for Conservation Exhibit(カナダ)入選(2015〜2017年)

5.所属団体等        Artists for Conservation 

                                             日本ワイルドライフアート協会

​                                                  日本理科美術協会

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 

​アーティストステイトメンツ

1.ワイルドライフアートを始めたきっかけ、動機等

物心ついた頃より、「生き物」と「絵を描くこと」が大好きでしたので、遊びの中で「生き物の絵」を描くようになっていたと記憶しています。幼少の頃は、この二つは両天秤のごとく均衡を保ちながら常に私の頭の中を支配していたのですが、進学、就職していく過程の中で絵を描くこと(美術)へと傾倒していき、生き物への熱は次第に影を潜めていきました。その後、デザイナーの職を辞そうと決意した頃と前後して、潜んでいた生き物への情熱が再燃し、フリーランスで野生動物調査を始める事となるのですが、その当時はクリエーターとしての自己表現の手段を完全に見失っている時期でもありました。そんな中でもかつての表現者の端くれとして、何か作り出したい、表現したいという思いがいつしか募り自然と心を動かし、気が付くとインクとペンを握って生き物(鳥)の絵を描くようになっていたように思います。

 ワイルドライフアートというものを意識し、野鳥画を知るようになったのはLars Jonsson氏のフィールドガイド(Birds of Europe)での秀逸なイラストレーションを見たのがきっかけでしたが、 結局のところ今にして思えば描き始めたのは誰の影響というものではなく、もともと自分自身の心の奥底にあった二つの欲求がごく自然な成り行きで融合したものだったのではないかと感じます。

 

2.制作、あるいは表現に対するポリシー、哲学、もしくはコンセプト等

 日本のワイルドライフの独自性、素晴らしさを作品を通じて世界に発信していければと考えています。そのために対象はできる限り国内のものに限定し、特に住まいである滋賀県北部の身近な自然を題材にして制作しています。

 制作に当たっては自然や野生動物の目に見えて華やかで美しい部分よりは、むしろ厳しさや現実など、その影や裏側に当たる部分を表現したいと考えている為に、あえて色彩を排除したモノクロームの表現をしたり、デフォルメせずに出来る限り正確に対象を写し取ったり、実際に自分の目で観察、調査などして熟知している種類を対象として選んだり、不必要なものは削ぎ落として出来る限りシンプルなメッセージにするなど、表現には一定の制限(抑制)をかけるよういつも心掛けています。これによって、動より静、光より影、陽より陰を描きたいと常に願っているのですが、これは学生時代に傾倒していたミニマリズム、コンセプチュアルアートなど現代美術の作品、作家から受けている影響が少なからずあるのではないかと思っています。

 最近は日本美術史を再考し、紐解いて、過去の作家の作品の残したメッセージを参考、引用しながら特に水(水面や雪)などの自然描写の表現に力を入れて試行錯誤し制作しています。日本美術の独特な世界観とワイルドライフアートを融合させた、従来ある花鳥画などとはちょっと一線を画するような新しい世界観を構築させることができればと願っています。

 

3.使用画材(材料、材質)の紹介、表現技法についての考え、ポリシー等

2020年より画材を紙からタブレットへ、筆からタッチペンへと変更、デジタルスケッチに取り組んでおります。タブレットの使用でより身軽になったこともあって、従来のスタジオワーク主体から野外スケッチ主体のスタイルに切り替えて、日々フィールドでのスケッチに励んでおります。現在は新たな画材に慣れるべく試行錯誤しているところですが、フィールドで直に得る事が出来るインプレッションを今後の制作の糧にできればと思っております。

 

4.ワイルドライフアートの未来と今後の制作についての考え(夢、抱負など)

近年、特に欧米のワイルドラフアートの世界はボーダーレスで混沌とした感がありますが、むしろこんな時代だからこそ、私自身が目指すべきは「日本のワイルドライフアートとは何か」を改めて問い直し、その独自性の表現を実践していくことではないかと考えています。野生動物画の世界はその地域性が極めて重要なファクターとなりうるため、独自の文化、芸術、自然環境、自然観を有する、我々にしか作り得ない世界がきっとあるのではないかと思います。

 

 

5.好きな作家      Lars Jonsson(ワイルドライフアーティスト)、伊藤若冲(画家)、Andrew Wyeth(画家)、

             川瀬巴水(浮世絵師、版画家)、山口晃(現代美術家)

6. 影響を受けた作家    Vaughan Oliver(グラフィックデザイナー)、大竹伸朗(現代美術家)、田中一村(日本画家)

             Bernd & Hilla Becher(写真家)

 

 

 

 

 

 

 
 
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